人でなしの恋

独り言

結婚という名の永遠のテーマ

ふと思い出した苦い記憶を吐き出しておこうと思う。

たぶん分かる人には全部分かってしまうような内容だけど、こんな屑箱みたいなブログで隠す必要もないので固有名詞だけ伏せて書きます。

令和元年春。桜前線なんて言葉がちらほら聞かれるようになってきた頃、爆弾が投下されました。

 

推しの所属しているグループのメンバーのひとりが、結婚した。

 

別に噂とか何もなかったんです。怖いくらい何も。そんな中、なんの前触れもなく突然公式ホームページのトップにアップされた「○○を応援して下さっている皆さまへ」*1というタイトルの、まぎれもない結婚報告。

 

それだけじゃなかった。

 

お相手は一般女性。

そして新しい命を授かりましたとの文言。

 

は?え?はい…?

え?じゃあ、なに?デキ婚ってこと?

 

ここで誤解されないように言っておきたいのですが、決してデキ婚を非難しているわけではありません。様々の事情があれば本来の順序を入れ替えてご結婚される方もたくさんいらっしゃるかと思います。

ただわたし個人の意見ですが、デキ婚に対してはどうしてもネガティブなイメージがあります。公の場に立つお仕事をしている方、ましてや愛夢幸をテーマに掲げる事務所に所属しているのならば、せめて段階を踏んで多くの人に祝福される形で結婚して欲しかったです。

(実際わたしを含め受け入れがたいファンの方もちらほらいます)

推しではないものの、グループ全体を応援しているわたしにとっては大変ショックでした。

 

それにしても特にショックだったのは、出産予定月から否が応でも見えてくる妊娠時期。あろうことか、彼にとって、そして彼の所属しているグループにとってはとてもとても大切な時期だったということ。いや…ツアーの真っ只中に何してくれちゃってんの…というのがわたしの率直な感想。わたしの推しを含めほかのメンバーがしゃかりき頑張っているのを目の当たりにしていたので、なんというか、余計にモヤモヤする。その間に相手の女性を妊娠させていたのか。はっきり言って、生々しい。しかも妊娠発覚まで籍を入れなかったとか…ううん…

二重にも三重にもショック。

わたしみたいなファンがひとりふたり居なくなったところで彼にとっては痛くも痒くもないかも知れない。しかし塵も積もればなんとやらで。100人に1人わたしみたいになかなか現実を受け入れられないファンが居るとして、たとえばそれが彼らの単独ツアーでの収容人数が平均して9000人くらいだとしたら、ざっくり計算しても90人分の空席ができる。極端な例だけど、100人に1人でもこんなに影響力がある。

 

 

思えば彼らの所属するグループは非常に不憫だった。

本体*2とは別にデビューしたかと思えば事務所には全く推してもらえず、そのまま放置プレイ、そして本体が活動休止を言い渡された際にはお前らが事務所の資金を調達してこいとばかりにおもむろに再デビュー。メンバーが急遽5名から6名になったり、グループのロゴデザインやイメージカラーが変更されたり、遂にはグループ名の改名までさせられデビューから何年も経ってようやく単独ツアー。テレビでの露出も増え始め、軌道に乗ってきたか?と思われた矢先に本体が活動再開するんで戻ってきてくださーい!とばかりに分体グループでの活動は強制終了。単独ツアーにおいても本体が活動を休止している間のきっかり2年間のみの活動だった。

さて、本体でのツアーが始まり、終わり。推しに会えるし、ライブのセットリストの中には分体グループの活躍の場が残されているし、これはこれでまあいいか!と思っていた矢先。ツアーファイナルの余韻に浸っていた矢先。ここへ来てまさかの結婚報告。いやもう、なんかもう、そろそろほっとさせてくださいよ。

 

 

モヤモヤしているうちに時は過ぎ、彼の行う別の活動での度重なる匂わせに辟易し、しばらく固形物が喉を通らない時期を経て、そうこうしている間に同グループの他のメンバーが結婚を発表し、その彼がデキ婚ではなかったことに純粋な気持ちで祝福することができ、いつの間か冒頭のメンバーには第一子が誕生し…

次第にどうでも良くなっていった。または諦めた。

 

 

ここで思うのは、他のメンバーですらこの有様なのに、実際に推しが結婚してしまったらわたしはどうなってしまうのか?ということ。あんまり考えたことがない。いや、考えないようにしていた。だってわたしのファン活動は推しが結婚したら終わる。確実に。

推しも適齢期だし、いつかその日が来ることはいくらわたしにだって分かっている。

その日が来たらきっと、「今までありがとう」と心の中で呟いてさよならするんだろうなあ。

わたしにとって、“推しが結婚しても変わらずに応援し続ける”という選択肢はないです。もちろんそのスタンスを否定しているわけではなく、寧ろわたしにはできないスタンスだから尊敬すら感じます。でも「本当のファンなら結婚しても応援し続けるべきだ」という意見には賛同しかねます。結婚して、子供を授かって、子育てして…って想像すると、やっぱりなんかリアル過ぎるというか。生活感とか見えてきちゃって、そしたらもう、それはわたしの好きな推しじゃないかなと思うんです。

推しの生活感が見えるのは寧ろ好きなくらいなんだけど、それとは別物というか。その時点で偶像崇拝的な部分はどうしてもあるんだと思います。だってわたしはただのいちファン。推しの私生活なんてひとつも知らない。決められた対価を払い、決められた時期・決められた場所でしか推しには会えない立ち場だから。その決められた時間を迎えるまでの何十日、何百日という時間の間に、推しがどこかの誰かと出会い恋に落ちていたって、そんなこと知る由もないただのいちファン。知ることもできなければ関わることもできない。裏で何が起こっているかなんて分かるはずもありません。

 

ファンは推しを知っているけど、推しからしてみたらファンは知らない人なんだよね。

 

たとえ何年もかけて推しを追いかけていようと、推しの近くで推しに接触することのできる人に、いくら時間を対価にしたとしてもファンは敵うわけがないのだ。

もちろん何かを期待しているわけでは決してないけど。

ひっくり返るはずもない事実をまざまざと見せつけられた気がした、そんな結婚報告だった。

 

 

 

(すべてわたしの主観です)

*1:同じ事務所に推しがいる人にはこの文言の無情さがとてもよく伝わると思う

*2:彼らは2つのグループを兼任しているので本体と分体が存在する